なぜ検査が必要か
検査を必要とする症状としては下痢や便秘などの便通異常、血便の出現などです。慢性的な腹痛も検査の対象になります。症状がなくても便潜血反応が陽性となった場合には、大腸癌をはじめ大腸粘膜に出血性の病気がないかを調べるために行います。
検査で診断できる病気の一覧
① 大腸ポリープ(過形成性ポリープ、腺腫など)
② 大腸腫瘍(大腸がんなど)
③ 痔(痔核=いぼ痔、裂肛=切れ痔、痔瘻=穴痔)
④ 大腸憩室症(大腸の外側への洞穴状のへこみ)
⑤ 大腸潰瘍や炎症(炎症性腸疾患など)
⑥ その他(粘膜下腫瘍、小腸下部の疾患、大腸と膀胱や膣との交通など)
大腸は小腸と肛門との間にある150~200cmの筒状の管で、コの字型に配置されています。筒の内側をくわしく観察するには、便がなくなっている状態にする必要があります。そのため前日から特別の食事をしていただき、寝る前に下剤を内服します。当日朝に来院していただき、院内で大量の水を飲んでもらいます。透明に近い水様便が出るようになれば準備完了です。
当院では上野または大腸専門医がこの検査、処置を行います。細心の注意を払って行いますが、ポリープの切除をするしないに関わらず、穿孔や出血をきたすことがごくまれにあること(約5000回の検査に1回程度)をご承知おきください。
帰宅して腹痛、下血、発熱などが万一ありましたら、すぐに連絡してください。対処法を説明いたします。ポリープを切除した場合は約1週間無理をせず、暴飲暴食や飲酒を控えてください。
疾患によっては更なる検査や治療が必要になりますので、改めてご説明いたします。