食道胃内視鏡検査は電子スコープを口または鼻から挿入して、消化器粘膜を観察する方法です。
内視鏡検査はレントゲン検査と違って、見たい部分を直接観察することができます。そのため病変部の位置、大きさ、拡がり、表面の性状、色調などの情報を得ることができ、病気の診断を見落としなく、しかも正しく行えます。
狭帯域光観察(NBI)による表面血管構造の把握、色素散布による表面性状の把握などの精密検査を行って、より正確な診断を行うように努めています。
また内視鏡検査では病変のごく一部を採取(生検)し、癌か癌でないかなどの顕微鏡検査(病理検査)を行います。
経鼻内視鏡は、苦痛が少ないことが評価されて急速に普及しています。当院でも行います。従来の内視鏡より格段に細く作られており、口からだけでなく鼻からも挿入することができるようになったわけです。そのため、経口内視鏡でたまに発生する嘔吐感が起こりません。また、医師と会話しながら検査を受けることができるため、安心感が得られます。鎮静剤の注射を要しないため、検査後の車の運転も可能です。
最新の技術開発によって画質が改善され、明るく見やすくなりました。またコントラストを高める分光画像処理技術(NBI)も使用可能です。
風邪をひいたときの咽頭の診察で、舌の奥をヘラで押されて「オエッ」と吐きそうになった経験がおありだと思います。 これが咽頭反射(いんとうはんしゃ)ですが、口から内視鏡を入れるとこの咽頭反射が起こります。ところが鼻から入れる場合は内視鏡が舌の根元に触れないので、ほとんど吐き気をもよおすことなく検査を受けることができます。
内視鏡検査の苦痛はほとんどありませんが、不安が強い方には軽い鎮静剤の注射を行って、不安を取り除きます。この場合は検査後にゆっくり休んでいただき、眠気が取れてから帰っていただきます。注射した場合には検査後の運転はやめていただいています。経鼻内視鏡検査では鎮静剤の注射は行いません。