胸焼けの原因は主に脂っこい食べ物と思っていませんか?
日本人の10人に1人、40歳以上では4人に1人が胸やけや喉のつかえ感で悩んでいるといわれています。その割合は近年増加しています。その主たる原因は、胃酸や胆汁が胃から食道に逆流することです。胃カメラで食道に炎症がある場合を逆流性食道炎、症状はあるものの炎症がはっきりしない場合を逆流性食道症といいます。治療は胃酸の分泌を抑える薬、胃の運動を促進する薬、食道の粘膜を保護する薬を飲むことです。食後すぐに横にならない、就眠前1時間は飲んだり食べたりしないという日常生活の注意点を守るだけで、症状が軽くなることもあります。これらの治療で良くならない場合には、胃の内容物が食道内に逆流しにくくする手術(食道裂孔ヘルニア修復術)を行います。この手術法では、おなかを大きく切開することのない内視鏡手術が有効です。
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すい臓癌は一筋縄ではいかない癌です。すい臓は胃の裏に隠れているため、腫瘍がかなり大きくなっても症状が出ません。胃がじゃまをして超音波検査での早期発見を妨げています。癌の発生初期から周囲組織に広がりやすいことも治療を難しくしています。
手術が唯一の根治治療です。大きな手術が必要ですが、わが国の技術は世界に誇れるものです。しかし手術を乗り切っても高率に再発をきたします。そのため世界中の研究者が、懸命に有効な抗癌剤を開発しようとしています。
年間死亡者数は約2万5千人です。多くの癌が減少傾向にあるのに反してすい臓癌は横ばいです。死亡者数は男性で前立腺癌より多く、女性では乳癌よりも多いのです。とくに高齢者の発生率が増加しています。
背部痛を伴う腹痛、皮膚の黄染、糖尿病の急な悪化などがすい臓癌を疑う診断のポイントです。この領域の専門医は北陸ではまだ少数です。まずはかかりつけ医に相談し、必要な検査を受けてください。
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現在のがん治療は、高度の分業化に向かっています。がんを発見する一般医や検診医、がん専門内科医、がん外科医、内視鏡治療医、抗がん剤を用いる化学療法医、放射線治療医、さらに精神的ケアを担当する心療内科医などです。
一人の担当医が一人のがん患者さんの治療のすべてを担当することはまれになっています。これまで外科医がその役割を担ってきたのですが、外科医は高度の技術習得に専念し、診断や化学療法は他の専門家に任せるという考え方に変わりました。担当医が次々に変わるので、心細い思いをされているかもしれません。
この分業の弊害をなくすのが、「かかりつけ医」の役割であると考えています。がんの治療は長期間を要することが多く、手術や放射線治療の終了後は在宅での治療が中心になります。日常の診療は「かかりつけ医」が行い、がん専門医へは年に何度か受診して治療方針を点検してもらいます。
「かかりつけ医」は、個々の患者さんに適した治療法をアドバイスします。どこの病院がどのような治療法を得意とし、治療成績はどこが優れているかなどの情報を提供します。より良い「かかりつけ医」の役割をがん医療において発揮できると思っています。
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