急性虫垂炎(もうちょう)の今昔 |
4月 3rd, 2012 by 上野桂一 |
急性虫垂炎は最近めっきり少なくなっています。かつては10人に1人が手術をうけるといわれていたのですが、いまでは30人に1人以下です。その理由のひとつは、食事内容や衛生環境の変化であるといわれています。さらに腹部超音波検査やCTなどの診断機器が進歩し、誤診率が飛躍的に減少したことも一因です。また、これまで虫垂炎と診断すれば必ず手術をしてきたわけですが、程度の軽い初期の場合には手術をせず、抗生物質を投与して経過を見ることも行われるようになっています。
しかし小児ではいまだに重要な病気であることに変わりはありません。診断や治療が遅れると腹膜炎を起こしておおごとになることもあります。小児の全身麻酔を迅速に行なえる施設が減っているので、保護者、かかりつけ医、外科医の連携が今まで以上に大切になっています。
虫垂は通常、右下腹部にあります。ところが虫垂炎になると、みぞおちあたりの軽い痛みから始まることがよくあります。それが徐々に右下腹部におりてきて強い痛みに変化していくわけです。医療機関では腹痛の場所と性状を聞き、白血球数や炎症反応などの血液検査、腹部診察、腹部超音波検査やCTなどを行って総合的に判断します。さらに抗生物質の投与で治せるかどうか、腹腔鏡を用いた手術が適当かなどにも検討します。今からの季節、心配な時は早めに医療機関を受診する方が無難です。