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上野院長の連載コラム

飲酒と膵臓

11月 7th, 2011 by 上野桂一
飲酒と膵臓

お酒は適量を楽しみましょう。

お酒の美味しい季節になりました。「酒は百薬の長」といわれ、適量の飲酒は健康の妨げにはなりません。

日本人は酒に弱い人種です。少量で酔ってしまうのでアルコール性の慢性膵炎や肝障害の患者さんは欧米に比べて少ないといわれてきました。しかし近年、酒の消費量が欧米で減少しているのに対して日本では増加していること、人口の高齢化によって長期間飲酒をしてきた人が増えていることより、欧米レベルに近づいています。なお「常習飲酒」の定義は日本酒3合(ビールなら大瓶3本)を毎日、5年以上飲み続けることとなっています。

慢性膵炎の症状は上腹部や背部の持続性鈍痛です。慢性膵炎の約70%は飲酒が原因で、痛みをまぎらわすためにさらに飲酒を続けるという厄介な病気です。膵臓の外分泌機能が低下すると脂肪の消化不良となり、内分泌機能まで冒されると糖尿病になります。慢性膵炎の年間発生数は約5万人で、増加しています。「常習飲酒」で慢性膵炎になる可能性があります。

飲酒は日本酒換算で一日1.5合までとし、週に2回の休肝日を設けるというのが酒をたしなむ基本です。

 

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