すい臓癌と闘う |
10月 4th, 2011 by 上野桂一 |
すい臓癌は一筋縄ではいかない癌です。すい臓は胃の裏に隠れているため、腫瘍がかなり大きくなっても症状が出ません。胃がじゃまをして超音波検査での早期発見を妨げています。癌の発生初期から周囲組織に広がりやすいことも治療を難しくしています。
手術が唯一の根治治療です。大きな手術が必要ですが、わが国の技術は世界に誇れるものです。しかし手術を乗り切っても高率に再発をきたします。そのため世界中の研究者が、懸命に有効な抗癌剤を開発しようとしています。
年間死亡者数は約2万5千人です。多くの癌が減少傾向にあるのに反してすい臓癌は横ばいです。死亡者数は男性で前立腺癌より多く、女性では乳癌よりも多いのです。とくに高齢者の発生率が増加しています。
背部痛を伴う腹痛、皮膚の黄染、糖尿病の急な悪化などがすい臓癌を疑う診断のポイントです。この領域の専門医は北陸ではまだ少数です。まずはかかりつけ医に相談し、必要な検査を受けてください。
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